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主任司祭より

「まだシノドス、これからもシノドス」       司祭 アンドレア 松村 繁彦

2024/04/04


ご復活おめでとうございます。そして復活祭に各教会で受洗・受堅・転会されて新しい仲間になった皆さんの上に、豊かな祝福があるように祈ります。

そして新しくお世話になる千歳教会・恵庭教会の皆様、今まで関わってきた9教会の皆様。札幌地区にあってともに歩んでまいりましょう。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 

主の復活の恵みは2000年前の過去のものではなく、今現在も私たちのこの体、私たちのこの社会に起きている恵みです。それを感じ取り、見出してその喜びを分かち合える年にしていきましょう。現在の復活の恵みとは?それは挫折や反省の中から立ち上がる力。神への希望こそが復活につながる大切な要素です。希望を失わないように、互いに支え合っていきましょう。

 

さて、全世界の教会ではシノドスが関心事になっています。でも、未だに「まだやるの?」「いつまでやるの?」「長くかかりますね?」という声が聞こえてきます。正直に言いますと、私の最初の本音も同じでした。なぜなら、第二バチカン公会議以降、それに代わる会議が世界代表司教会議となり、その会議の名称がシノドスと呼ばれていたからでした。しかし現在私たちが耳にするシノドスとは意味合いが違います。教皇フランシスコはシノドスを明確に、ともに歩むため(本質・あり方を大切に)に統一し、その実現のために聖職者主導ではなく、すべての人が同じテーブルの前に座る形で、実現を促しています。それに慣れるために祈りと分かち合いを通して、シノドスの本質(対話と協同)を歩もうとしています。極端な聖職者主義・信徒中心主義ではなく、ともに歩むことに力点が置かれています。

 

この事を進めるにあたりヒントをお伝えします。

ギリシャ語の「(SYNODOS)共に歩む」の接頭語SYN。ラテン語ではCOMがそれにあたりますが、どちらも一致・協調・共存などに向かうための大切な接頭語です。ともに歩むためには、歩める力が必要となります。私はこの接頭語を使うもうひとつの単語「SYNCHRONOS(同調する)」が大切と考えます。このシンクロは同期・同調し一体となる意味です。それ支えるには「愛」という骨が無ければいくらシノドスを進めても偽りの一致、強行的な行為にしかなりません。大切なことは「愛」によるシンクロで、その上にシノドスが成り立つと考えます。話しあった時間が長いと成長する!ということではありません。どれだけその人に同調できる感性を身に着けられるか。聖書の中でイエスが寄り添い涙した人たちの事を確認すると、まず近づき・受入れ・理解し・自分の感性に響かす(共鳴:シンクロ)。自分の心に響く音が無ければ、それは表面的な寄り添いにしかなりません。シノドスは分かち合いを大切にしますが、心に落とし、シンクロしていく作業こそがシノドス的な歩みなのです。知識や経験を並べるのでは人の間に差が生まれ、上下関係が自然と出来上がります。もちろん多様性の一致は大切ですが、それを強調しすぎると、結局何でもよい!となってしまいます。誰もがわかる言葉で、誰もが受けたことのある体験や感情の枠の中に自分の身を沈め、関わること。これこそがシノドス的なあり方であり、イエスが望んだ生き方です。だから誰でもできる可能性があるのがシノドスなのです。

分かち合いながらその感性を磨き、思い起こしましょう。善いサマリア人・99匹と1匹の羊の話など、牧者が寄り添ったように、私達も人々に寄り添うための訓練の場こそシノドスなのです。だからシノドスは聖書勉強と同じレベルで学び関わり続けなければならいものとして用意された信仰養成の場なのです。

 

 

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