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パトリシアが選ぶお薦めの1冊 Recommended Books

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だから私は神を信じる

「ひふみんは、本当にすごい人なんだなぁ」というのが、この本を読んだ私の感想です。この本の前書きに、教皇フランシスコは「キリスト教の話をする時は抽象的な話ではなく、具体的な体験を話すように」とおっしゃっているからこそ、自分の体験をこの本の中で書くと伝えています。そして「この本を読まれた皆さんが、神様や聖書の教えの素晴らしさを感じられますことを願っています。」と言われます。
著者は忍耐・慰め・謙遜が大切な教えと言い、この教えについて、わかりやすく解説しています。次に出てくるー祈りの実践―については、ご自身の体験から引き込まれていく内容です。陥りやすいまちがいについても、私たち読み手が勘違いしないように、丁寧に書かれています。カトリックの七つの秘跡のひとつ、ゆるしの秘跡についても恵みの多い秘跡であるとご自身の体験から書かれています。

この本のすごいなぁ~と思うところは、~祈りについて~テーマがあると必ず自身の体験があります。教皇フランシスコがおっしゃっている「具体的な体験を話すように」を実践されているのです。ひふみんの信仰生活は、神があり、自分がある。そこがぶれていない。だから、神が自分にして下さることに信頼を置いて、自分のするべきことをする。ということが、明確になっている。だから、対局でも良い成績が残せたのかな、と想像できます。

私が支えられ、これからも支えられると思う言葉にも出会いました。〝私たちの人生には、自分の予想を超えたことが次々に起こります。しかし、思いがけないことや大変なことがあっても、いつかその出来事の意味が分かる日がくることを、自分の体験から感じています。〟
この言葉には、希望があります。「どうして?」と考えてしまうことが、この世で生活しているとあります。誰もが平和で落ちついた生活をしたいと願っていても、そうではない現実がありますから・・・・。その渦中にいると、渦巻きの中から脱出できない。
姪が送ってきた写メで見た徳島の鳴門海峡を思い出す私です。

カトリックではよく〝神は愛〟という言葉を耳にします。この本の中にも~愛するということ~をテーマにしたページがあります。聖書の言葉、聖人の言葉、ご自分が考えられていることが書かれています。他人に対して寛容になど、心のなかの静けさを保つことがテーマにあります。本の中に出てきた旧約聖書イザヤ書(7章4節)に〝落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない〟このみ言葉を目にした時に「静まりの中で神に出会う私たち」ということをあらためて、思い起こしました。
他にも~良い人間関係を築くためには、病気や死に直面する時には、若い世代の人たちに伝えたいこと~などをテーマに書かれています。私はどのテーマも考えさせられたり、納得したりしました。
そしてあとがきに、私は神様が生きて働いていらっしゃることを強く感じていますとあります。この言葉がこの本を表していると思います。〝生きている神〟。若い頃に、姉妹のようにお互いを思っているシスターに言われた「いい、パトリシアちゃん私たちが信じている神様は、生きている神様なのよ!」という言葉をあらためて思い出しています。

 

 

加藤 一二三       著
日本キリスト教団出版局  刊
1200円+税

更新日:2021年2月25日


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執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



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