モン・サン・ミシェル巡礼
世界遺産として知られている、フランス北部の巡礼地モン・サン・ミシェルの写真集です。日本語に訳すと、モンは「山」、サンは「聖」ミシェルは大天使の一人「ミカエル」となります。聖ミカエルに守られている所。
山であり、島であるこの修道院は、何百年もの歴史の中で、城砦、教会、修道院、監獄独房と姿を変えていきました。撮影者が幾度も足を運び、この写真集が仕上がったようで、様々なモン・サン・ミシェルの姿を私たちに見せてくれます。また四季を通しての街中の写真もかわいらしいフランスを感じさせてくれます。
モン・サン・ミシェルは訪れた人が、信仰のある無しにかかわらず、もう一度訪れてみたいと思う場所でもあるようです。この写真集にも、同じことが言えると思うのです。ここで暮らしていた人々の思いと祈り。そしてこの巡礼地を過去、現在と訪れている人々の祈りと願いに触れているようで、人々はどんな思いで、ここでの時間を過ごしたのでしょう？と想像します。テレビの世界遺産番組などで、よく取り上げられている巡礼地ではありますが、写真集としてゆっくりとページを繰ってみるとまた心の中に入り込みます。
この階段一段一段をどのような思いで上がっていったのでしょう。この回廊で、修道者たちは神とどのような対話をしたのでしょう。巡礼者にこの島の姿が現われた時の感動は、どのようなものだったのでしょう。回廊から眺める庭は、囚われた人たちにどのように映っていたのでしょう・・・・。
「想像の翼」が広がります。そして、いつか訪れてみたいと思うのです。
■写真／富井 義夫 文／岩井 義人
■発行／写真工房
■定価／1500円＋税
更新日：2014年10月7日
執筆者
パトリシア
本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について／パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック（アイルランド語でクローバーの意味）が象徴。アイルランドの守護聖人。