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サンタ・マリアの御像はどこ?プチジャン司教の生涯

今から150年前、長崎の潜伏キリシタンと出会ったプチジャン神父(後に司教となる)は、フランスのパリ外国宣教会の会員です。開国が近い日本への宣教のために、派遣されました。

日本人のためにパリ・ミッション会では長崎の大浦天主堂を建てますが、日本人には当時まだ信教の自由がありませんでした。

ところが今から150年前の1865年3月17日、「サンタ・マリアのご像はどこ?」と婦人に声をかけられます。その婦人は浦上に潜伏していたキリシタンでした。250年ぶりに、潜伏していたキリシタンたちは神父に出会うことになります。

プチジャン神父はキリシタンに出会ったことをパリ本部の総長に知らせ、そのニュースはヨーロッパ中に知れ渡ります。プチジャン神父は教理を教え、伝えられていた古い書物を編集しなおし新しい書物にします。信者たちは神父に出会えたこと、教会がありミサがあることに喜び、昼間は役人たちの目があるため、夜に教会に通います。神父たちも浦上や他の地域に出かけます。

信者たちは積極的に自分たちができる事をして神父を助けます。が、喜びもつかの間で、また迫害が始まります。迫害の中で、ある者は勇ましく信仰を守り抜きます。同じ日本人、人間の中で迫害する者とされる者に分かれます。人間は残酷な者になりうることにも、恐ろしさを感じます。

プチジャン司教は信者のために渡仏し、資金を集め、祈りのお願いをします。信教の自由が保障されるようになってからもそれは続きます。

この本を読んでいて、一人の宣教師の働きに、日本人として感謝の気持ちでいっぱいです。そして神様に感謝。またこの時代を生きた人たちの信仰を思う時、自分のなまぬるさを恥ずかしく思います。今も世界では迫害されているカトリック教会があります。そして信じる宗教、民族や肌の色、その他様々な事で迫害を受けている人々もいます。そのためにも祈ります。祈らせてくださいと思います。

なお、これまで3月17日を「長崎信徒発見の記念日」として任意でお祝いしてきたカトリック教会ですが、信徒発見から150年目にあたる2015年から「日本の信徒発見の聖母」の祝日としてお祝いすることになりました。

 

 

■谷 真介 著/女子パウロ会 発行/1000円+税

更新日:2015年1月21日


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執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



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