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パトリシアが選ぶお薦めの1冊 Recommended Books

聖週間を生きる 毎日の黙想:受難と復活節の人物とともに

カトリックはもちろん、キリスト教にとって大祝日と言われるものに、クリスマス(ご降誕)とイースター(ご復活)があります。クリスマスは12月25日と固定祝日ですが、イースターは移動祝祭日です。春分の日の後の、最初の満月のすぐ後の日曜日と決められています。そして、教会で最も古い祝日で、聖霊降臨の主日までの50日間を復活節としてお祝いします。

イースターは春の訪れと共にやってきます。春は新しい年の始まりであり、出発の時でもあります。そして聖週間、聖木曜日「主の晩さんの夕べのミサ」聖金曜日「主の受難」聖土曜日「復活の徹夜祭」の典礼があります。

忙しい時期で、教会に行けない。夜だから行けない。足元が悪いから行けない。など様々な理由で典礼に与れない方々のために、この本は書かれました。著者は、聖ザベリオ宣教会の司祭です。この本は、復活の主日の前週、受難の主日から復活の主日までの毎日と、復活節第2と第3主日の福音箇所、神父様の私たちへの導きとなる黙想文からなっています。毎日、一人の登場人物を意識します。各日の最後に、“みことばを響かせましょう。”「心に残った節や感銘を受けた表現を書き、そのみことばを心に留めて、一日を過ごしましょう」があります。

基本的にカトリック教会では、全世界で毎日のミサの朗読箇所は、同じ所を読み、祈ります。国や地域の特別な聖人の時などは、特別に選ばれたものを祈ります。この聖週間も全世界で、キリストの復活の日に向けて祈ります。聖週間は教会にとって最も特別な、大切にしている期間です。聖週間の典礼を通して2000年前のただ一度きりの出来事、すなわち、キリストが私たちへの愛のためにポンティオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架につけられて死に、葬られ陰府(よみ)に下り、三日目に死者のうちから復活した事を思い起こし、毎年記念する事によって絶えず私たちの信仰を新たにしていきます。

イエスの受難と死を毎日読み味わうのです。受難と死を通って復活の栄光へと過ぎこしていく瞬間をです。

聖木曜日ミサ中行われる洗足式では、司祭が信徒の足を洗うその水の音だけが、静けさの中で響きます。そして、最後の晩さんでキリストがなさった事が今もミサの中で行われます。

聖金曜日には、司祭が入堂し、祭壇の前で床に伏します。その姿に心の中で様々な思いがめぐります。式中では盛式共同祈願があります。世界中の人々のために祈ります。続いて、十字架を礼拝します。

聖土曜日には、闇から光へ。闇の中で大きな復活のろうそくに火が灯され、一人ひとりにその火は移され、闇の中で光が輝きます。復活の大きなろうそくは「主の昇天」の日まで、日曜ごとに灯されます。

復活の主日では“空(から)の墓”を見つけます。

この時に、じっくりゆっくりキリストと登場人物と共に、みことばと著者の黙想指導をこの本を通して受けながら過ごすならば、実り豊な時間が過ごせるでしょう。その時間は、今までとはちがった見方が出来るようにしてくれます。同時に、わたしはどうでしょうか?と自分に問いかけます。

この本の表紙にヘビに飲み込まれたアダムとエワを救い出すキリストが描かれています。悲しい絶望的な状況から、永遠の希望がもたらされる絵です。

この聖週間からの日々が、より一層神様の愛に触れる時となりますように。

レナト・フィピーニ 著/女子パウロ会 刊/ 定価 800円+税

更新日:2017年3月24日


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執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



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