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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『カンボジアからこんにちは』         司祭 アンドレア 松村 繁彦

2026年04月06日|

ご復活おめでとうございます。新体制(人事発表に伴い)になる新年度。一緒でも分かれても、「私はともにいる」主を中心に、また一緒に頑張りましょう。

さて、3月上旬から中旬にかけてカンボジア11回目の渡航をしてきました。6年ぶりの渡航は驚きばかり。空港も新しくなり、道路や街並みもすっかりと変わってしまっていた。近代化も進み、かつての汚くも懐かしい姿は薄れていた。それに加えほとんど報道されないカンボジアとタイとの国境線沿いの戦い。それを訴える人々とも出会い、今回は少し悲しい思いを感じてきた。でも人々の生活はかつてから比べれば少しずつ良くなって来ている。民族性もあるかもしれないが、新しいものに向かって古いものを脱ぎ捨てることに躊躇が無いので成長できたのかもしれない。発展途上のためには必要なことなのかもしれない。そのことについて話せば長いのでここでは割愛しよう。

さて今回は世界でも有名なカンポト胡椒の調査。私が代表を務めるJLMM(日本カトリック信徒宣教者会)の仕事で、コロナ禍で苦労し支え続けてくれた現地カンボジア人スタッ フへの感謝と慰労、そして販売品である胡椒を作る農場や作業所の人々の働きと支援の可 視化を目的とした取材旅だった。カンボジアでの胡椒生産量自体は世界で10位にも入ら ないのだが、味は世界一でミシュランも飛びつくほどである。ここ数年真駒内教会や月寒 教会で販売している胡椒は、カンボジア内の胡椒でも更には条件や制限が厳しく、有機栽 培というだけではなくすべてが手作業で、条件下で丁寧に作られている。(だから少し高いのですが)労働環境は決して良くないのだが、作業するご婦人たちは誇りを持って明るく作業をしている。日本の皆さんへのメッセージを貰いたかったのだが、自分たちが作っている胡椒がどこに売られているのかなど興味はなかったのでメッセージはもらえなかった。でも大切に作っている胡椒が喜んで食べられていることを伝えると非常にうれしそうな表情を浮かべた。過酷労働も頑張れると・・・・少し微妙な思いを感じたが。

カンボジアは1992年に世界の支援(日本を始め)を受け始めるまでは戦場と化していた国。僅か35年足らずで人々の生活も心も復興してきた。ちょうど3・11にカンボジアにいたので、東日本大震災を思い起こし追悼のため仲間と黙とうをささげてきたが、悲しい思いを忘れず、新しいものに向かっていく勇気を頂くという意味で共通な歩みだった。

アユタヤ王国やアンコール王朝の時代の“形”としてのカンボジアの復活というにはまだまだ遠いが、人々の心は復活していると感じた。どれほど闇や挫折を経験してきても、また小さな国で他の国から見捨てられてニュースにもならない国であっても、踏ん張り続け、希望を忘れなければ必ず復活は訪れる。ポルポト政権下では一人一人のその希望は剥 奪されていったが、今、結果的にカンボジアに希望を持つことができるようになってきた。復活は個人の中だけで完結することではない(イエスだけが経験できること)のだろう。しかし、永遠の命を知っている私たちにとって、自己の中での完結・完成だけを求めるのではなく、広い視点の中での理解が必要。

復活の力は、私たち生者も死者も生かすものであり、それは希望を忘れないという事に よるのだと感じた旅であった。まさに「希望は欺かない」のだ。


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