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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

「すべてのいのちを守るための月間」を過ごして    司祭  アンドレア 松村 繁彦

2022年10月03日|

翌月は死者の月でもあることから、今月は一つの詩を紹介させてもらい、考えてもらいたいと思います。

「すべてのいのち」とは、すぐ【近く】にあるもので、そこへの当たり前の関わりの中から気づくこと。そして【待てない】いのちであること。緊張感が今一度求められているのではないでしょうか。

 

タイトルは「最後だとわかっていたなら」(作・ノーマ・コーネット・マレック /訳・佐川睦)。アメリカ人女性が10歳の息子を亡くし、その悲しみを綴った詩。9.11同時多発テロの追悼集会で朗読され、大きな反響を呼び、瞬く間に世界中に拡散された詩です。

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『あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら、わたしはもっとちゃんとカバーをかけて、神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう。

あなたがドアを出て行くのを見るのが最後だとわかっていたら、わたしはあなたを抱きしめてキスをして、そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう。

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが最後だとわかっていたら、わたしはその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう。

あなたは言わなくても分かってくれていたかもしれないけれど、最後だとわかっていたら一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と、わたしは伝えただろう。

 

たしかにいつも明日はやってくる。でも、もしそれがわたしの勘違いで、今日で全てが終わるのだとしたら、わたしは今日、どんなにあなたを愛しているか伝えたい。そしてわたしたちは忘れないようにしたい。

若い人にも年老いた人にも、明日は誰にも約束されていないのだということを。愛する人を抱きしめられるのは、今日が最後になるかもしれないことを。

明日が来るのを待っているなら、今日でもいいはず。もし明日が来ないとしたら、あなたは今日を後悔するだろうから。

微笑みや抱擁やキスをするための、ほんのちょっとの時間をどうして惜しんだのかと。

忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことを、どうしてしてあげられなかったのかと。

 

だから今日、あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう。そしてその人を愛していること、いつでも、いつまでも大切な存在だということを、そっと伝えよう。

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を、伝える時を持とう。

そうすればもし明日が来ないとしても、あなたは今日を後悔しないだろうから。』


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