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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『地主名誉司教逝く』    司祭 加藤 鐵男

2021年08月05日|

5月4日午後8時頃、地主敏夫名誉司教が帰天されました。享年90歳でした。1960年司祭叙階、さらに1988年司教に叙階され、2009年に辞任されるまで、幼稚園、社会福祉法人雪の聖母園、天使病院などで園長、理事、理事長として多くの役職を歴任され、尽くされました。

私が、司教としての最後の司祭叙階での司式でした。神学生時代、休みで帰郷するたびにお小遣いを下さり、司祭叙階に際しては、必要だからと黒の礼服まで買ってくださいました。今となっては懐かしい想い出です。

地主司教様を思い起こしますと、一番先に記憶に浮かんでくることは冬の除雪風景です。雪が降っている最中でも一定の積雪があるとご自慢の除雪機を車庫から出して、どこのおじさんが除雪して下さっているのだろうと思わせるような雰囲気で、黙々と除雪してくださった姿が浮かんできます。ただ、勢い余って雪を飛ばし過ぎて、古い聖園幼稚園の窓ガラスを二、三枚割ることもあり、職員の新車の屋根に氷の塊が降ってくることもありました。勿論悪気はないのですが、ただ夢中になると周辺の事情がよく見えていなかったようです。

もう一つ思い出すのは、ローマ時代のお話です。同級生の色々な話、どこそこへ行った話、ドイツの高速道路を飛ばした話、ある修道院での話など、同じ話を何度も聞かされました。その度に、初めて聞いたように返事をしなければ悪いと思い、食事の度に聞かされたことを思い出します。自分もやがてこうなるのだと肝に銘じながら覚悟していた事を思い出します。

行動力のあるお方でした。食事中の昼のニュースで、今の新ひだか町の二十間道路の「桜が満開です」と聞くと食後直ちに車を走らせ、夕食までには帰ってきて、その話題になりました。富良野の花畑が「色とりどりに美しい」とニュースで流れると夕食で「行ってきた」と話すのです。あの年齢で片道二時間以上もかかる道をよく車を走らせるものだと感心させられました。

「あなたがたは、それぞれ賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を用いて互いに仕えなさい」(Ⅰペトロ4章10節)。神様の下でお幸せにお暮しください。


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