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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『今年の復活祭のたまご』     司祭 加藤 鐵男

2021年05月10日|

昨年は開催されなかった復活祭は、今年は制限がある中にも無事に行われました。復活徹夜祭・復活の主日に洗礼を受けられた方々は、本人はもとより教会にとっても大きな宝であり恵みです。しかし、洗礼当日のお祝いのパーティーは開催することが困難で寂しい限りでした。せめて復活祭には付き物の「復活のたまご」を、洗礼者や参列して下さった方々に差し上げたいと思っていました。が、このコロナ禍の中では信徒の間からは声を出しにくかったのだと思います。そういう機運は残念ながら私の担当している三教会からは、当初ありませんでした。それで、私から調理は大丈夫であること、ましてゆでる卵は、それだけでも殺菌されるので問題がないことを示して、持ち帰ることは何らの支障もないことを理解してもらいました。最初にお願いした教会では、担当のブロックで行うことを承諾して下さいました。後日、心配で参加されなかった方もおられたとは伺いましたが、無事に徹夜祭と主日の二日分の二百数十個のゆで卵を作ってラッピングまでして下さり、皆さん笑顔で一個ずつ貰って帰りました。

次の教会は、手を挙げて下さった有志の方々が、百個を作って下さり、皆さん喜んで貰って帰ったと報告をうけました。

もう一つの教会は、運営委員会の時に私が他の教会の話をしますと、それではうちの教会もやりましょうとなりました。しかし、誰が作るのかとなったときに委員長が音頭をとって、呼びかけて話がまとまり、参加している人たちが私も私もと手を挙げて下さり、あっと言う間に出来る態勢が整いました。後日談で、たまごをゆでている時に、余っているお米で「五目飯」を作ろうとなって主日に販売したと聞きました。

いまのコロナ禍の中で、もちろん制限はあるのですが、その中でもただ恐れるのではなく、出来る事を少しでもやろうという機運が大事なのだと思います。どんなに困難な状況でも、小さなことでも出来ることはあるはずです。果敢に挑戦していく気持ちを忘れることなく持ち続けたいものです。次のパウロの言葉が印象に残ります。「主イエスご自身が、『受けるよりは与える方が、幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、私(パウロ)はいつも身をもって示してきました。」(使徒20・35)


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