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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『ある教会の早朝ミサ』     司祭 加藤 鐡男

2021年01月04日|

ある教会は、週日、毎朝七時からミサを行っています。夏には太陽がすでに高くなっており、天気の日は暖かく、窓を開け放った御聖堂はとても気持ちの良いものです。しかし十二月ともなれば、ミサ開始時刻になってやっと空が明るくなってきます。もちろん暖房も入っておりますが、教会に来るまでの道のりを考えると、「どうぞ、ミサに与ってください」とはいえません。

ところが、ここ二か月位のあいだに状況が少し変わってきました。元々、固定メンバーの参列者だったのですが、徐々にそのメンバーが増えてきだしたのです。自宅から四十分かけて歩いて来られる方、お友達を誘って来られる方、ご夫婦で来られる方、決まった曜日だけ来られる方、未信者なのに週のほとんど参列している方等、その理由は様々ですが熱心にミサに与り祈っておられます。

全国的にもそうですが、北海道はコロナウイルスの感染者が増えており、誰が感染しても不思議ではない状況です。先行きの見通せない中で不安を抱え、皆が何とかこの状況を乗り越えたいとの想いを、教会に来られて祈っているのではないかと考えられます。

そして、不要不急の外出自粛を求められている中で、皆は神様と向き合う時間を与えられたことに気付き、感謝の念を込めてお祈りに来られているのかもしれません。幸いなことに全国の教会で、まだミサに与ってコロナウイルスに感染したケースはないそうです。

日頃私たちは、神様からたくさんのお恵みを頂いて暮らしています。しかし、そんな事は普段考えたこともないくらい、当たり前だとも思わなく忘れて生きています。しかし、毎日大勢の方々が感染し、亡くなられる方々が増えることによって、何気ない日常の生活の有難さに改めて気づかされたのが、私たちの今日の状況ではないでしょうか。

こんな時だからこそ、次の聖書の言葉が私たちの心に浸みわたります。「俗悪で愚にもつかない作り話を避けなさい。敬虔のために自分を鍛えなさい。体の鍛錬も多少は役に立ちますが、敬虔は、今と来るべき時の命を約束するので、すべてに有益だからです」(一テモテ4.7-8)。いつも神様に心を向けていられる私たちでありますように。


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