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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『今年の山仕舞』     司祭 加藤 鐵男

2020年11月02日|

九月の下旬に手稲山に登りました。自分の中での本格的登山は、おそらく二年ぶりくらいでした。平和の滝登山口コースからで、往路は三時間、復路は二時間の山登りでした。山登りは、「行こう」と思ったなら七割は成功だと言われます。その山に登りたいなら、所要時間を調べ、コースを確認し、持ち物を用意し、体調を整えるなど準備を怠りなく計画するからです。あとは神様次第です。

さて当日は薄曇り、気温も山登りには最適で、旗日だったので登山者も多く、いざという時には心強い絶好の条件が整えられた日でした。今年の春決意した、教会から歩いて円山を登り帰って来ると丁度二時間のハイキングコースが、体力造りに役立ちました。

途中の登山道に、熟したいま落ちたばかりのコクワの実を拾い、口に入れたところ、甘酸っぱい初物の味は格別でした。幸先の良さに気を良くして、足は快調に運びました。大きな岩がごろごろした「がれ場」も、ゆっくりであれば何とか大丈夫との思いで進むことができました。後から来た若い人たちにはどんどん抜かれましたが、気にせず、にこやかに挨拶を交わして、一歩一歩と休みながらでも足を進めました。やっと「がれ場」を抜け通常の登山道に達すると、テレビ局のアンテナ群が林立する山頂はもう直ぐです。二十人ほどの人たちがくつろぎ食事をし、周りの景色の話など思い思いに体の疲れなど忘れたかのように楽しんでいました。私は山登りで出来ればそうするのですが、食事のあと草を布団代わりに昼寝です。気持ちよく四十分も寝ていたでしょうか、「こんな所で寝ている人がいる」という声に目覚めました。すっきりと疲れも取れて帰りの体力増強に快適な気分でした。これからは寒くなり、自分の中ではこれが本格的登山での今年の最後の山登りになるだろうと思いました。

なぜ、肉体的にも辛い思いをして山に登るのか、それは後の快適さと精神を鍛え上げてくれるからだと思います。ロマ書五章三から四節に次のような句があります。「苦難をも誇りとしています。苦難が忍耐を生み、忍耐が品格を、品格が希望を生み出すことを知っているからです。」私たちキリスト者はどんなことにも耐えられるように、キリストの弟子としての自覚を保ちながら、日々の生活を大事にして従う者でありますように願いたいものです。


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