ロゴ

主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『ささやかな正月休み』       司祭 加藤 鐡男

2020年02月01日|

人が家族や親しい人たちと温泉旅館やホテルで年末年始を過ごしているころ、私は教会の守るべき祝日のミサの司式をしています。やっと一日の休みが取れて、日帰りの温泉が今年の私の正月休みとなりました。祝日の日帰り温泉は、駐車場が満杯になるほど賑わっておりました。内湯でのんびりと過ごした後で、少しぬるめの露天風呂にゆっくりと浸かっていました。目の前にある垂直に近く立ちはだかるようにどんと構えている崖に、何か動いているものが目に留まりました。雌のエゾ鹿が、日当たりのよい所に顔を出している草や木の皮をのんびりと食しているところでした。上に登ったり下に降りてきたりと、気ままに美味しい草や樹皮を見つけながら食事を楽しんでいるようでした。これが私に対する神様からのお正月のお年玉になりました。今まで数回はこの日帰り温泉に来ていましたが、鹿にお目にかかったのは今回が初めてでした。やはり北海道はまだまだ自然豊かな土地であり、熊にはお目にかかりたくはないですが、野生の動物を近くで見られることは嬉しいことであり、年明けから何か良いことが起こる前兆のような気がして、ささやかな一日だけの正月休みは終わりました。

 

「御旨を行うすべを教えてください。あなたは私の神です。あなたの恵み深い霊が平らな地で、私を導いてくださいますように。」(詩篇143.10)私たちは神の御旨の中で生かされています。そして、いつも正しく清らかに、謙遜、謙虚に生きたいものだと望んでいます。ところがそれとは裏腹にいろいろな誘いに負けて、神の御旨どころか相当に脇道にそれてしまっている自分の姿に愕然としてしまいます。今年こそはと元日に決心を固めて実行しようと奮闘しますが、すぐに挫折を味わいます。そんなみじめな姿を何度味わったことでしょうか。

そんな私の生きざまにいつも優しく声をかけてくださるのはイエス・キリストです。「いいんだよ、わかっているから」とやさしいその声に気を取り直して、どうぞよろしくお願いいたしますと頭を下げている私です。今年ももしかしたらこれの繰り返しかもしれません。それでも下向き加減な私に対して、苦笑しながらも手招きしてくださるイエス・キリストに従っていこうと思っています。

 


司祭メッセージ一覧へ


ページトップ
MENU