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主任司祭のメッセージ Message from parish priest

『天使のうたごえ』         司祭 加藤 鐡男

2019年10月04日|

今年の神学生合宿は、神学生が未だ行ったことがない道北稚内、利尻を訪ねることになった。神学生一人と後に合流した神父を含め、総勢七人の参加になった。一日目は日本海側オロロンラインを行き、途中 信徒の経営する牧場を訪ね、稚内に着いた。夕食後、有志で夜の市内観光に出かけた。ノシャップ岬で灯台の灯りにノスタルジアを感じ、山の上の公園では開基百年記念塔に登り、霧に煙る市内の夜景を目に焼き付け、北方記念館では樺太の歴史を垣間見てきました。「氷雪の門」では真岡郵便局の自決した九人の乙女像の前で思わず手を合わせてきました。

二日目は日帰りで利尻島に渡った。元利尻教会を守って下さったシスターの家でミサをさせて頂いた。予定では低山ハイキングのはずが、あいにくの雨で島内一周のドライブに代わってしまった。

最終日は稚内教会でミサをさせていただきました。十一人の信徒も参列して下さいました。オルガン伴奏をしてくださった女性は、今年ご主人の転勤で新ひだか町に行かれましたが、月に二度ほど来て歌唱指導もしてくださっているそうです。入祭の聖歌を聞いて驚きました。教会の働き盛りの年代の女性が多いはずなのに、声量や響きが十一人のものではないのです。思わず目を閉じて聞きほれました。まるで天使の大群が天国で歌っているかのように聖堂内に響き渡り、その自信に満ちた歌い方は称賛に値するものでした。失礼ながら、主日のミサに二十数人の参列者の教会だからと高を括っていたら、なんと素晴らしいその歌声は、この教会の信仰の素晴らしさと一致するものであることを確信させてくださいました。

「ごく小さなことに忠実な者は、大きなことにも忠実である。ごく小さなことに不忠実な者は、大きなことにも不忠実である。だから、不正な富について忠実でなければ、だれがあなたがたに真実なものを任せるだろうか。」(ルカ16章10-11節) このイエスの言葉は、この世で得られる富(出来事)に忠実な者だけが、神の国においてその報いが得られることを私たちに教えてくれています。

誰かが見ていなくても、自分たちの成すべきことをしっかりと、できる限りの最高の状態で行うこと、それが人に信用されることにつながります。そして、それを神さまはいつもしっかりと見ていてくださって、記憶に留めていてくださいます。いつの日か私たちが神の国に召された時、神さまは膨大な日記帳からそれを見つけ出し、しかも一つも見落とすことなく、この時はとてもよかった、これは最高だった、あの時はわたしも驚くほどに感動した、と いちいち褒めてくださるに違いありません。

この世で誰にも認められなくとも、私たちには最後に 最高のことばをかけてくださる方がいる幸せを知った恵みに、感謝せずにはおられません。


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