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パトリシアが選ぶお薦めの1冊 Recommended Books

あなたはそのままで愛されている(表紙)

あなたはそのままで愛されている

2016年12月30日に帰天されたSR.渡辺和子の遺品の中から見つかった原稿と「最後の日々」の奇跡を収録した本です。

シスターは、沢山の本を出されていますし、講演会やテレビなどで、お話を耳に、目にされた方も多いと思います。今、この現代の現実の社会の中で「あなたはそのままで愛されている」という言葉に、沢山の方が慰めをもらい、勇気と希望を持てるのではないでしょうか? 私たち一人ひとりは、神にそのように愛されている。フランスのカトリックの司祭ピエール・テイヤール・ド・シャルダンが「人生は、刺繍を裏から眺めているようなもの」と言っています。シスターはその絵が素晴らしくあるためには、裏面が複雑でなければならないと言います。送っている間は、少しも美しいと思えず、むしろ、まどい、疑い、苦しむことの多いものでしかないけれどそれらがあってはじめてその人にしか織りなせないユニークで美しい作品になると。

本の中で「言葉の心づかい」について書かれています。それは、やはり、自分の痛みを他人にはさせまいというやさしさであり、口にしてはならない言葉を呑み込んでしまう心の高貴さであり、意志の力ではないでしょうか。

「言葉を、不用意に、無駄に、ぞんざいに使ってはいけない。」(言葉を人を傷つける道具にはせず、心づかいをもって、周囲の人に慰めと安らぎを与えるために使おう。)

シスターの本は、当たり前ですが、神の大きな愛があって、その愛に気づかずに、自分の事で精いっぱいになって、狭い中でしか考えたり見たりできなくなっている私たちに、「一人ひとりは、そのままで、すでに神に愛されている『宝石』だということを、そして、その人となりの『きらめき』を秘めている自分に自信を持ちなさい」と言っています。
『よろこびは、単に与えられて私たちの人生に存在し始めるものではありません。すでに存在する素材を見つめ直すことによって、または違った角度と視点から見ることによって創り出されるものなのです。』
『たった一人、自分の苦しみと、努力と戦いを知り抜いてくださる方キリストとの間に秘密をもって生きる時、その方の愛に支えられ、模範に強められて生きる時、私たちの人生は、不思議なよろこびに充たされるのでしょう。』

この本の中に、シスターの苦しみ、悲しみ、後悔、青春時代のエピソードがあります。キリストの歩まれた道、ご受難を通して、復活へということが、私たちの日々にもあり、復活されたキリストとの素晴らしい出会いの中で、シスターが知ったことを分かち合ってくださっている。こんな生き方もあるのよ。って教えてくださっている。そんな本と巡り合ったように思えるおすすめの本です。

 

 

SR.渡辺 和子(ノートルダム清心学園前理事長) 著
PHP研究所 刊
1100円+税

更新日:2020年6月29日


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執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



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