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パトリシアが選ぶお薦めの1冊 Recommended Books

天国は、ほんとうにある

サブタイトルに「天国へ旅して帰ってきた小さな男の子の驚くべき物語」と書かれています。本当に、そうなのです。3分間だけ天国にいたと3才のコルトンは言っているのです。3分間の滞在は、私たちこの世に生きている者との時間感覚の違いがあります。聖書の中に書かれているまるで『一日は千年のようで、千年は一日のよう』なのです。コルトン少年は医師の誤診により急性虫垂炎を見逃され、穿孔性虫垂炎にかかり、生死の境をさまよいます。その時の両親の心の動き、神に対しての祈りは、それは口先だけではなく、心の奥底からわき上がってくる痛みです。その祈りの姿と、神ご自身が本当に苦しみの中にある人に手を差し伸べて下さっていることをコルトン少年を通して人々に知らされます。祈りを聞いて下さる神についてです。

牧師である父の教会の人々が、コルトン少年と家族のために本気で祈るときがきたと集まります。「具体的に何を祈ったらいい?」と聞かれ、父は「おならが出るように」と頼みます。他にも色々。そして癒されますようにとも・・・。この祈りは(おならが出る!)1時間以内に聞き入れられ、すぐに良くなりはじめます。医学的にみても奇跡がおこります。

コルトン少年が入院中仕事の出来なかった両親は、病院代の支払いをはじめ23,000ドル近いお金を用意しなくてはならなくなりました。宝くじに当選しなければ得られないような金額です。ところが、父親のおばあちゃんに始まりたくさんの人々から小切手が届き、請求金額に届いてしまったのです。とても言葉では言い尽くせない驚きです。

また、コルトン少年は、天国で見たことを話します。

すでにこの世を旅立った方々が、どのように天国で過ごされているか。そして、イエス様のことを話します。聖書に書かれていることが少年の口から出ます。より簡単な言葉で表されます。

聖霊のことについては“イエス様が、パワーを撃ち落す”と表現しています。私たちが神の力により頼む時に、イエス様はパワーを撃ち落してくれます。何やらこの本を読んでいくと、神、天国、そしてイエス様が十字架の上で私たちのためにくぎ付けにされたこともすっと心に入ってきます。ただ愛のために。「神は愛」ということがわかってきます。

この家族が、この素晴らしい出来事に出会う前には、息子を失うかもしれないという苦しみを味わいます。このことを通して、牧師とその家族が、人を「助ける」側ではなく、人に「助けてもらう」側になり、はじめて頑固なほどに自力本願を貫いてきたこと、高慢であった自分から、物理的・心理的・経済的に人々から助けてもらうための謙虚な気持ちを持つ姿に変えられていきます。

コルトン少年は、この本を読む人に「ぼくは、天国がほんとうにあるんだっていうことを知ってもらいたい」と言い、亡くなる直前に出会った人には「大丈夫だよ、はじめに会う人はイエスさまだから」とも言います。聖母マリアについてもイエス様の側にいるマリア様を見て「“母さん”って感じでね、イエスのことを愛しているんだよ」と言っています。

最後に、コルトン少年のおばあちゃんの言葉を

「私、天国はほんとうはどんな様子なんだろうって、前よりもずっと考えるようになったよ。前は“天国”っていう考えかたを受け入れてるって感じだったけどさ、いまは、思い描くことができるね。前はただ耳にしたことがあるって感じだったね。でもいまは、いつか自分がそこを見にいくんだって知っているんだもの」

この本は、札幌在住のY神父様のおすすめ本でした。映画化もされています。

 

■トッド・バーボ リン・ヴィンセント共著(阿蘇品 友里 訳)/青志社 刊/1,500円+税

更新日:2015年6月2日


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執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



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