ロゴ

パトリシアが選ぶお薦めの1冊 Recommended Books

人生を祝福する「老い」のレッスン

はじめに・・・・、次のように書かれています。「人間は最後の瞬間まで生きる意味を見つけようとする存在です」「限りある人生をどのように生きていくのがのぞましいかについて、様々な角度から考えたのが本書です。」

何才であっても、その年齢で老いについて考え、思うことがあります。自分自身についてであったり、家族のことであったり、周りの人であったり、現在であったり、未来であったり。でも、誰もが向き合う事でもあります。正直中々、自分を客観的に見ること、自分の姿に気づくことは難しいです。また漠然とわかっていることを言葉で表現することが難しいと思うこともあります。この本を読み進んでいくと老いとの付き合い方がとてもわかりやすく実行し易いのではないかなと思うのです。

本書の中で“楽しさは五感で感じるものですが、喜びは心からの感動であり、まったく別のものです。喜びは心で経験するものですから、一度与えられた喜びは決して忘れることがありません。喜びは一種のエネルギーなのです。喜びは物質ではないので、与えれば与えるだけ豊になります。”と書かれているところがあります。このようにひとつの言葉の意味、深さが書かれてあると、自分に当てはめて、考え思うことができます。

 

“「生きた沈黙」を大事にしてください。

生きた沈黙は人を温和にし、

穏やかにしてくれます。

沈黙の意味を知り、育てることが大切です。”

 

この言葉に秘訣があるのではないでしょうか。“別の所では日常生活の中では「止まる」、「見る」、「聴く」が大切です。周りに合わせて、自分がしている事をちょっと止めて、周りを見、相手の話を聴きましょう。”とあります。この本の中に書いてあることは一見、バラバラなように見えますが、著者の話されている言葉に耳を傾けると、テーマ別に分かれているこの本が、根っこの部分で繋がっていることに気づかされます。神さまに愛されている自分を知ることが、著者の伝えたいことでは?!と思うのです。なぜなら“みなさん一人ひとりが神さまの贈り物であり、自分の身体や心を含むすべてが贈り物なのです。自分に対しても、周りに対しても、それぞれが贈り物であることを良く認識し、大切にし、人間としての誇りを持って生きていってほしいと思います。他人と比較して考えるのはできるだけやめて、自信を持って生きてください。”このことが、著者の伝えたいことのひとつであり、神さまに愛されている自分を知る事になるのではないでしょうか。

そして“自分自身に正直に生活することも大切です。感情的正直さ、身体的正直さの両方を心掛け、心に感じた問題点、身体的問題点に正直に付き合わなければなりません”と書かれてあるので、こうしして自分を少しずつ知り、よけいなことから解放されて、質の高い生活がおくれるように教えてくれているように思えるのです。

老いを考える時に、きっとどの世代の方が読まれても、その方にぴったりする言葉が、この本の中にはあると思います。

 

 

バレンタイン・デ・スーザ 著/幻冬舎ルネッサンス 刊/952円+税

更新日:2016年9月20日


おすすめの本の一覧へ


執筆者

パトリシア

本が大好きな広報部員。夏は十勝にある広大な農地で畑仕事に精を出し、札幌と十勝を行き来しながら、晴耕雨読の日々をおくっています。
洗礼名について/パトリックの女性名。聖パトリックはシャムロック(アイルランド語でクローバーの意味)が象徴。アイルランドの守護聖人。



ページトップ
MENU